今からしておく日曜大工(素人でできる対策)
週休二日制が定着した今日、土曜〜日曜の2日間でじっくりと取り組めるようになりました。県防災では、「日曜大工」で防災対策を提案します。
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「留め」と「吊り」の選択
取り付け先の建物部材、家具の取り付け個所の材質・寸法、およぴ固定具の位置と強度についての選択さえ正しければ、いずれの方法でも家具は倒れない。
しかし、「吊り」は家具が揺れる。そのため
- 壁と家具が衝突して、双方に傷がつく。
- 底部が前に出て、仰向けに倒れやすい(戻抜け)。
- 瓶、缶、置物等の収納物は破損・落下しやすい。
(収納物の落下は「留め」でも同じ)
(注)
- いずれの方法でも壁に密着させて固定すること。
- 「吊り」の時は家具全面の下に「敷板」を入れるとよい。
- 「吊り」の時、床面が滑りやすいと、「仰向け」になる恐れがある。
ねじ、釘について
木ねじ
(丸頭で溝がプラスの物と、皿頭で溝がマイナスの物がある)
鉄製 3.1mm×20mm〜3.8mm×38mm
- 3.1mm13mmで耐カは約30kg。
- 溝はプラスがよい。(締付カが大)
- 軸があまり太いと板が割れる。(3mm以上あれば耐力はOK)
タツピン(ねじ)
(ねじ山が全長にある)
3mm×16mm〜4mm×30mm
- 焼入れしてあるので溝がつぶれない。
- 長さ当たりの締付力が大きく。ねじ込む力も大きい。
(家具を割らないよう、あらかじめ錐穴を)
丸釘
(打込み50mmで耐力30kg)
38mm〜50mm
- 頭が金物の穴に比べて小さい。
- 強打すると板が割れる。
(家具には不向き)
スクリユー釘
(引抜き耐力は大)
38mm〜50mm
- 家具に対してはやはり不向き。
1本柱留め
a
- 家具に留めるネジは1本になりやすい。
- 地震で図点線のように揺れるか、ねじれる。
- 壁と衝突して損傷
- 収納物被害が大
- 家具へのねじが抜けるか、側版が割れる恐れ
- 家具が軽量で、柱と密着して固定できるならbを選ぶ
b
- 1ヶ所留めながら、ねじ2本以上で横ぶれを抑える。
- 蝶番は向きを誤ると、家具の上下動が起こる。
c
見える側の露出金物をカレンダー、状差し等でカモフラージュする。
布ベルト(ゴム入りとゴムなしがある)留め
- 「転倒防止金具」
- 「タンス・ガード」
- 使用書には「中辺1ヶ所留め」もあるが、両端2ヶ所の方がよい。
- 長期間のうちにゴムが伸び、地震でガタツキが生じ、収納物が傷む。
(ゴムの伸縮で締付力がふえる一方、地震力で伸びることを考慮)
鴨居(かもい)等(水平部材)への固定
一般に家具固定に耐え得る水平部材は、1天井回り縁、2鴨居(かもい)、3額縁(がくぶち)、4笠木、5胴縁、6際根太(きわねだ)等であり、耐力不足のものは、1長押(なげし)、2付け鴨居、3額長押(なげし)、4木摺(きず)り、5幅木(はばき)等である。
外から見ただけでは、耐力の有無がよくわからない場合は、金槌で軽く叩いてみる。
つまった音ならよいが、うつろな音や浮いた音なら避ける。
また、木ねじやヒートンをねじ込む位置に試験としてヒートンを約2cmほどねじ込み、指か紐をかけて、徐々に力を入れて引張ってみる。思いきり引いて大丈夫なら25kg以上は期待できよう。
出展:伊東 義高著 『地震から家族を守る日曜大工』
家具固定力の目安
- 家具寸法:標準 間口90cm、奥行き45cm、高さ180cm
- 標準家具:家具本体50kg+中身50kg=100kgとする
(重量家具では150kg、軽量家具では75kgとする)
(合計重心位置は対角線交点=90cm高さ) - 地震水平荷重:震度7、弱い地盤、中層階…1Gとする
- 家具固定位置は家具天板位置=180cm
(標準家具固定位置:100kg×1G×1/2=50kg) - 家具固定位置は家具天板の左右2ヶ所
(標準家具:1箇所当たり50kg÷2=25kg)
(標準家具:間柱・金具耐力:25kg×安全率2=50kg)